HIPHOPのド真ん中【BoomBap特集】MV10選(各レビュー&一部コメントつき)




 

|そもそもBoomBapって何?|

 

アメリカでは、2017年にHIPHOPとR&Bの売り上げがロックを抜きメインストリームになりました。もともとサンプリング文化のあったHIPHOPは、様々な音楽を取り入れるのが得意なジャンル。ロックやダンスの要素を吸収し、Trapの台頭もあって今もなお巨大化しています。

 

言うならば、“スライム”が“キングスライム”に進化した感じです。

 

HIPHOPが多彩になったのは喜ばしい反面、イメージする音が一つではなくなってしまいました。ヘッズ同士でも「何系のHIPHOP」と言わないと会話が成立しないほどです。

 

そこで、サンプリングを主体とした昔からのHIPHOPを「BoomBap」と呼ぶようになりました。

 

BoomBapの詳しい説明はこちらのサイトで⬇︎

GarageBand × HIPHOP:ガレージバンド研究所

最近のヒップホップ界隈、トラップミュージックが流行ってるというか、流行りきった感じありますね。それとともに「ブーンバップ…

 

ただ昔からHIPHOPを聴いていた人には、このジャンル分けは不評でした。
なんでわざわざこんな呼び方をするんだ?と。

 

ラッパー仙人掌は『All Day』という曲で、
「 “BoomBap” なんぼ “Trap” Get out!  俺たちがやってるのはHIPHOPだぜ!」
とラップしています。
https://youtu.be/7_nBTSojJ5M

 

実は私も同じ気持ちでした。

 

しかし、クラシックなHIPHOP魂を受け継いだ若手アーティストが活躍するようになりました。彼らは懐古主義にならず、新しい感性でHIPHOPを進化させています。そのフレッシュ感は、BoomBapと呼ぶにふさわしい作品を生み出しています。

 

そこで今回は、BoomBapというイメージ通り、低音が響く骨太なHIPHOPを10曲選びました。各曲にレビューをつけています。更に、BoomBarkBros.のラッパー/ビートメーカ AMIさん、潜伏期間のSHU Zさんから想いのこもったコメントをもらいました。

HIPHOPのド真ん中にある、マグマのように熱いHIPHOPをお楽しみ下さい。

 

 

※ 歌詞=リリック、サビ=HOOK、とHIPHOP用語で表記しています。
※ 本文で赤字のついたアーティスト名は、Twitterとリンクしています。


 

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|DAIA / RUDEBOY FOR LIFE|

( Prod. by RUDEBOY SOUND )

 

Abema TV『ラップスタア誕生! 』シーズン1で優勝した沖縄のラッパーDAIA 。

1stアルバム『MIND OF LEGEND』のオープニングを飾るのがこの曲。

ロッキンなギターに、首を振らずにはいられないトラック。言葉が途切れない地続きなフロー。肩の力は抜けているのに勢いがあるのはDAIAのオリジナルスタイル。

「 調子がいい 上がれ皆で Tuning 」

この曲を1人で聴くのは不健全。やっぱり皆で騒がないと!

 

⬇︎ 1stアルバム『MIND OF LEGEND』
画像をクリックするとAmazonストアに飛べる。

 

 

 


|BoomBrakBros. / Paranormal|

( Prod. by aMi )

 

茨城の3MC(EYEZENAMIC’O-Dabow)からなるクルーBoomBarkBros. 。

MCでありながらビートメイクも行う aMi による太巻きのドラム。唾混じりに威勢よく飛ばす言葉。SOULミュージックからチョップしたフルートの音色。そして曲から感じる生命力の強さ。

これぞ、BoomBapらしいBoomBap。

 

  aMi からのコメント

トラックは自分の思うままに作りました。
完成したトラックをクルーに聴かせたら、やはり上がってくれましたね。
お互いがお互いを分かってるので、書いたリリックを一通り合わせたらイメージ通りの曲に仕上がりました。

自分達は、色々悔しいって思いが強いです。
そのぶん逆にやってやる!という強い気持ちが、トラックにもリリックにも、そしてMVにも出たと思います!

茨城のHipHopシーンはよく言われる、土臭い、イナタイ、黒いといったイメージは薄れつつあります。メインストリームの方が人気のあるシーンになってきています。ですが茨城のイナタイHipHopも変わらずに存在していて、二分化されています。

自分達としてはジャンル年齢性別全てを超えて茨城全体を盛り上げたいと考えています!

 


|Deey / Never Change|

(Prod. by thalor )

 

沖縄出身で神奈川を拠点に活動する Deey の初ソロMV作品。

スムースなラップに定評があったが、そこに巧みな間を入れ、「 Ah! 」 の掛け声でアクセントをつけるなど成長が伺える。それがグルーヴを生み、聴き心地がいいだけでなく腰のあるラップに仕上がっている。

「Never Change これがやり方」で突き抜ける予感。
今後が楽しみなラッパーである。

 


|潜伏期間 / 街を流す|

(Prod. by co∞ )

神奈川県茅ヶ崎出身の2MC( co∞SHU Z )からなるユニット 潜伏期間

DUB、TECHNO系の浮遊感が気持ちいいトラック。それでも「HIPHOP」と何度も口にするのは、何を取り入れても芯はブレないという自信の表れ。

この曲聴きながら街を歩くと、体が大きく強くなった気になる。これぞHIPHOPの醍醐味。

 

潜伏期間 からのコメント

SHU Z(PVでは2人目の青い方)です。
もともと我々は違うクルーで活動してました。

たまたまco∞と遊びにいったパーティーのオーガナイザーから、ライブをやらないかと声がかかりました。

「どうせなら2人でやったら?」

「、、、え?やっちゃう???」

みたいなノリ (笑) 。
こうして潜伏期間の結成が決まりました!

ライブが先に決まっちゃったんですよね、曲もない時に (笑) 。

じゃあ曲を作ろうってなって、 co∞がソロで書いてた曲に俺が持ちバースをとりあえず入れたのが『街を流す』の原型ですね。
その後俺はリリック書き直して、ビートはco∞っぽさが追求されてdopeになり、今の形となりました。

 

⬇︎『街を流す』が収録されたアルバム
画像をクリックするとAmazonストアに飛べ、試聴もできる。

潜伏期間 - Incubation. - (LP)

https://youtu.be/HwuRdvxOtPohttps://youtu.be/5hzhIZyI-Mw…

 


|$-verdy / CouNt flaMe|

 

ダウンタウンを生んだ尼崎のクルー circle 6 clan に所属する $-verdy(ドルベルディ) 

ぶつ切りのサンプリングに歯切れの良いRAPが映える。
凛と言葉が立っており、「体内に循環 大量のオイル」が今にも着火しそう。
スリリングさが味わえる。

 




|SENDAI NINJA / BREMEN|

( Prod. by BERABOW )

仙台を中心に活動する10代の4人組クルー SENDAI NINJA(AIM、OGJ、DART、GRANT) 

低音を強調したラップ。声は太くはないが、それが逆にNINJAらしい躍動感を感じさせる。ビートメーカーBERABOWによる野蛮な電子音を聴くと、夜に騒ぎたくなる。悪いことがしたくなる気持ちをダンスに変える。

 

 


|舐達麻 “G plants & BADSAIKUSH” / B.I.G. hAppA|

(Prod. by NaiChopLaw )

埼玉県熊谷市を中心に活動する舐達麻( なめだるま ) によるワルノリデキマリすぎたMV。

G plants のザラついた声を、不穏に弾ませるビート。イリーガル極まりないリリックでも、ノレる曲だから許されるという痛快さが味わえる。

MC漢が好きな人は要チェック!

 

⬇︎2015年にリリースされた1stアルバム『NORTHERNBLUE1.0.4.』

 


|nicejoke / Public Enemy|

( Prod. by Yoshinuma )

 

“聖人君子”なんかでいられるか!
そんなギリギリの場所でしか満たされぬ気持ちを歌うのは、北九州のクルー nicejoke(LOWCHKARASSGerardparman

「白黒もしくは半か丁 そんなこと今更求めんなよ」

ヘッズなら首を揺らしながら頷くはず。
緊張感あるエレピとスクラッチがDOPEに導く。

 

 




|TORA-G / Intrigue|

(Prod. by Hatakeshocknin)

東京の注目若手ラッパー TORA_G 
低音を効かせたビートにも負けないぐらい太い声。
ちょっとやそっとじゃ倒れなさそうなたくましさがカッコいい。

「正解のない世界 だが単純明快」

勢いあるラップは、言葉が塊となって真っすぐに耳に飛び込んでくる。
若くして亡くなった Febb を連想させるラップスタイル。
荒削りさも良い。Go Ahead!

 

⬇︎7曲入りEP『 CONDENSE 』

 


|ISSUGI / EAST ft. VANY|

( Prod. by EL MONCHERIE )

12年以上のキャリアを積みMONJU、DOWN NORTH CAMP、SICK TEAM など数々のプロジェクトで活躍する ISSUGI 

ラップの流行りに左右されることなく、ライミングを重ねるのがISSUGIのスタイル。
派手さはないものの、磨き続けたゆえに生まれる凄みがある。

「ぶち抜く1箇所 小さいマップは 見えなきゃ打てない本気のショット」

後半の部分を構成するスクラッチ音。DJも含めてHIPHOPだろというメッセージが込められているように思えてならない。

 

⬇︎12か月連続で7インチをリリースするという企画”7INC TREE”をまとめたアルバム第2弾!
『EAST』は15曲目に収録

 


|終わりに|

いかがでしたか?
男の中の男ならぬ、HIPHOPの中のHIPHOPが味わえたと思います。

この記事と併せて【越境のHIPHOP】という記事もご覧下さい。HIPHOPの枠を広げていく曲たちを紹介しています。【BoomBap特集】と対になる内容なので、HIPHOPを深く理解できること間違いなしです。

 

JPN 🇯🇵 HIPHOP ch.

開拓者の如くHIPHOP枠を拡げていく越境のHIPHOPを10曲紹介します。さらにWHALE TALX の中心人物 似非…

 

 

最後に、本文でコメントしてもらったBoomBarkBros.のaMiさんのコメントで締めたいと思います。BoomBapに対する熱を感じて下さい。

それではまた🖐️

 

  aMi からのコメント

“90年代のOld School” といった王道のHIPHOPが好きです。
どうしてもソレを匂わせたくて、クルーの名前にBoomを入れました。

BoomBapへのこだわりはありますが、それよりもHipHopの根底を意識してます!

 

 

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