【日本語ラップ 2019】6月のおすすめMV10選(各レビュー&一部コメントつき)

どうも、HIPHOPライターのドラム師匠です。

6月はTwitterにてMVレビュー ➡︎ 39本
そしてブログ記事 ➡︎ 1本書きました。

そんな私が気になった

|6月のHIPHOPトピック|

 

① 2019年上半期を象徴する2枚のアルバムが発表される。

 

1つは、Leon Fanourakis の1stアルバム『CHIMAIRA』。
もう1つは、OZworld a.k.a. R’kuma の1stアルバム『OZWORLD』だ。

ラップが上手いのは当然として、2人とも野心にあふれた革新性があり、国産HIPHOPを前に押し進めている。さらに自分のスタイルを大切にし、音楽だけでなく、ビジュアル、プロモーションも含めて独自の世界観を打ち出していて素晴らしい。

 

※後ほどOZworld a.k.a. R’kumaの曲を紹介します。

 

② 『独白』のRemixコンテストで、90名以上のラッパーが参加する。 

 

DUSTY-I の楽曲『独白』を作ったビートメーカー Pay a.k.a Wildpit¢h が催したRemixコンテスト。応募期間は6月のわずか1ヶ月だけであったが、92名のラッパーがエントリー。92通りの『独白』が作られる。

 

もはや事件と言っていいほどバズったこの1連のできごとを、現在取材中。近日中に特集記事をアップします!

 

※その中から、著者が好きな一曲を後ほど紹介します。


ということで’19年6月にYouTubeで公開されたオススメの10曲を紹介します。今回、Marcorossoさん、Bob Doggさん、寝坊主さんからコメントをもらいました。読めばラッパーの思いが伝わり、HIPHOPをより深く楽しめること間違いなしです。

有名・無名問わずセレクトしたので最後までお楽しみ下さい‼️

 

※ 歌詞=リリック、サビ=HOOK、ラップをしているパート=Verse とHIPHOP用語で表記しています。
※ 本文で赤字のついたアーティスト名は、Twitterとリンクしています。


 

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|OZworld a.k.a. R’kuma / Magarikado Trap|

( Prod. by Howlin’ Bear )

 

HIPHOPでありながら地に足が着いてない不思議さ。地につくより早く宙を駆け抜ける滑らかなラップ。

「後から意味が分かるって言い聞かす」

この違和感は、沖縄のラッパー OZworld a.k.a. R’kuma (オズワルド・エーケーエー・レオクマ) が2歩先を行っている証拠。韓国釜山出身の謎の覆面プロデューサー Howlin’ Bear と独自の世界を作り出す。

どう!?あなたはついてこれてる?

 

 

この曲が収録されたアルバム
⬇︎画像をクリックするとAmazonストアに飛べる

 


|Marcorosso / BORDER|

( Prod. by GREEN ASSASSIN DOLLAR )

 

岩手在住のビートメーカー GREEN ASSASSIN DOLLAR によるアコースティックなギターの調べ。

「一か八か先の向こうは 次の時代へまたぐボーダー」

大阪のラッパー Marcorosso は1981年生まれ。若手の境界線はとうに超えた存在でありながら重くならず、時代の変化に対応するかのような軽快なビートの乗りこなし。それでいて言葉が耳に残るリリシズムは見事である。

 

言葉選びを大切にしながら、ビートに乗せて聴かせるためにどんなことを考えているのか?本人に尋ねてみた。

 

 Marcorosso からのコメント

特にこれといったルールや法則はありません。
聴いてくれた方それぞれで解釈していただければと思います。 あえていうなら、自分は作品に歌詞カードを付けていないのですが、それは言葉を口に出して表現している以上、聴いて楽しんでほしいからですm(_ _)m

 

 

TuneCore Japan

アルバム • 2019年 • 12曲 • 30分…

 


|ネボウズ / 汚す朝 |

( Prod. by Shushi )

 

 

1度は辞めたにも関わらず、半年ほど前から活動を再開した京都在住のビートメーカー Shushi 。生演奏に近いピアノに叙情的なシンセが印象的な曲。そこに言葉を乗せるのは16才年下の愛媛の高校生ラッパー 寝坊主 。

日常を描きながらどこか浮世離れした世界。生と背中合わせの死の臭い。詩的表現に想像が膨らむ。16才が作ったとは思えないフォーキーなメロディが懐かしさを呼び戻す。

 

寝坊主からのコメント

『リズと青い鳥』という映画(全人類観るべき)を観た早朝に勢いで書きました。なのであまり考えてなかったんですが、脳内が自己肯定感と幸福感に満ちあふれていて、それをそのまま言葉に落とし込みました。

設定は架空の生活って感じです。

死生観を歌詞に入れることを心がけてますが、割と上手く出来たかなと思います。死を生活の一部として捉えることによって、より多くのアドレナリンを得ようという歌です。

あとプロデュースしてくれた Shushi さんの曲は本当に良いので聴いてほしいです。

 

 

⬇︎寝坊主のLive動画

 


|Bob Dogg / What’s up?|

 

何がイイって元気がイイ!改元に伴いHEISEI BOYからサラッと名義を変更した REIWA BOYS のメンバーである Bob Dogg のソロ作品。

この瞬間を精一杯楽しむ。そんな姿勢が甘酸っぱさをかもし出す。メロディの良さ、そして皆で楽しめるキメポイントを作るサービス精神が💯

チャラくないハッチャケSOUND。

 

Bob Dogg からのコメント

曲のメロディを聴いた時には、すでに映像のイメージが大筋ついていました。

トラックにリリックとフローを合わせていくと、次第にイメージがはっきりとした情景へと変わりました。

出演者は全て私から声をかけました。ただ単に「かわいいから」「かっこいいから」でなく、MVのイメージから逆算し、マッチングする人物を選びました。その結果イメージを遥かに超えた作品になりましたね。

GWで人が本当に多い中、キャデラックを走らせたり、大所帯でポーズを決めるのは正直苦労しました。しかし、この一本で今後を変えるような期待と覚悟で撮影に挑みました。

 

 

「Live楽しませる全員に」
⬇︎Bob Doggが所属する3MCのユニットHEISEIBOYSのシングル

 


|ShuN from.ILLVANA / 独白remix|

( Prod. by Pay a.k.a Wildpit¢h )

 

6月に開催された『独白』Remixコンテストにエントリーしたのは、大阪泉佐野市のラッパー ShuN from.ILLVANA 。

「原作を越えることに意味がある」

原曲にと言うよりシーンに噛み付き、日頃のいらだちを書き殴った臨場感が伝わってくる。更にこのRemixからビートを再構築し、『monologue』という新しい曲が生まれたというストーリー。

原曲とは異なるエレクトロニカなアレンジとなっている。投げた石が波紋のごとく広がる。

 


|T-STONE / Let’s Get Eat|

( Prod. by KOTETSU )

徳島を背負いつつ関西から東京へと名を轟かす T-STONE 。

HIPHOPでは珍しいご飯をテーマにした曲。体幹がしっかりしたラップであるため、ビートメーカー KOTETSU による遊び心ある音処理でも軸がぶれない強さ。そして声を好きに使ってという余裕すら感じられる。

地元名産「スダチ」をリリックに入れ、後半にそれできっちり韻を踏む配慮が憎い。

 

TuneCore Japan

シングル • 2019年 • 1曲 • 3分…

 


|Neon Nonthana & Eco Skinny / IRREGULAR LIFE|

街で普通にすれ違っていそうなカップルのユニット。

まだあどけなさが残る Neon Nonthana が、遊びと本気の中間のような、HIPHOPに染まりきっていない初々しいラップを披露。

すでに1stアルバムをリリースした Eco Skinny がしっかりと脇を固め、危うさの中でバランスを保つ。 ゆるふわギャング のように風格が出てくるのも時間の問題。

リリックに「タピオカ」をチョイスするのも今時でいい!

 

 

 


|Shout-A × CL AnT2 /Girl Friend(feat.SILYUS)|

( Prod. by Shout-A )

 

エレクトロニカにも精通したビートメーカー Shout-A の展開力がオシャレさを感じさせる楽曲。

クラップ音から広がりあるシンセ。音の波に上手く乗った CL AnT2 (シエルアンツ) による、カスれるギリギリの高音Vo.が気持ちいい。低音を生かした SILYUS との声質の違いも曲に深みを与えている。

友達から関係が変わる瞬間のドキュメント。

 

 

⬇︎この曲が収録されたEP。遊んでたのが遊ばれててそれを繰り返してしまう男の物語が曲順ごとに描かれている。

 


|WAWA / Continue|

( Prod. by Dodge Nolege )

 

これは「SALU/RAP GAME」のアンサー曲か?

京都のクルー D.C.A 通称 “dcaの奴ら” に所属するラッパー WAWA 。ゲームをテーマにしたリリックで、繰り返し叫ぶ「To be continued」。裏を返せば何度も「Game Over」になった証。

「抜け出したくないって俺はクレイジー」

勝つまでボタンを押し続ける生き様が、曲に力を宿す。

 

TuneCore Japan

アルバム • 2019年 • 5曲 • 13分…

 


|Fuze / Shooting Star feat. S.Y.N|

( Prod. by THE FLUX )

 

大阪のビートメーカー/ラッパー THE FLUX によるドリーミーなTrap。若さがキラめきを与える Fuze のラップ。

“分かり易いクオリティの高さを普段から追求している”というだけあって、伸ばした指の先に、MC2人の真っ直ぐな視線が重なる。

「次は俺が星になるから」

先の景色を一緒に追いかけたくなるスター性に期待‼️

 

 

⬇︎この曲が収録されたEP。
1曲目『NEVERLAND』はスペーシーな空間の広がり、ポストロック的な奥行きがあり。キャッチな2曲目『Shooting Star』へと続く展開にヤられる。シンプルかつポジティブなメッセージが心を動かす。

TuneCore Japan

アルバム • 2019年 • 7曲 • 20分…

 


|さらに聴きたい人へ|

 

上記の10曲以外に、紹介しきれなかった【6月のおすすめ】が60曲入ったプレイリストを作りました。6月は豊作で、気に入った曲が100曲以上ありました。その中から厳選して選んでます。連続して聴けるので好きな曲と出逢ってください。

現在’19年7月のプレイリストも作っていて、早くもいい曲がたまっています。

あと宣伝ですけど、Twitter(https://twitter.com/drumshisho)で毎日レビューを書いてます。最新の国産HIPHOPに触れたい方はチャンネル登録 &フォローをお願いします🙇‍♂️

ではまた✋🏽

 

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