〓 11月のHIPHOPトピック 〓
① BAD HOPが武道館公演を成功させる。
7000人で合唱する「川崎区で有名になりたきゃ 人殺すかラッパーになるかだ」がすごかった!との多数のツイートがあがる。またアリーナ中央に設置されたLEDステージが音とリンクしており、光の演出も話題になる。
② レーベル PitchOddMansion が各地で無料配布したMixCDがすぐになくなり、メルカリで売られる。
※レーベルPitch Odd Mansionに所属するTENの曲を後ほど紹介します。
③ ’18年夏に行われた “AKLO X ZORN” による『A to Z TOUR 2018』の追加公演が行われ、MVが3曲作られる。
※AKLO X ZORN の曲を後ほど紹介します。
ということで2018年11月にYouTubeに公開されたオススメの10曲を紹介します。
今回、ありがたいことに3名のラッパーからコメントを頂きました。アーティストがどんなことを考えて曲を作っているか、その一端がうかがえる内容となっています。
有名・無名問わずセレクトしたので最後までお楽しみ下さい。
※ 歌詞=リリック、サビ=HOOK とHIPHOP用語で表記しています。
※ 本文で赤字のついたアーティスト名は、Twitterとリンクしています。
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- 1 |KID FRESINO/Retarded|
- 2 |J’Da Skit × Leo Iwamura/Purple|
- 3 |iCE KiD/SUPER STAR feat. CreA & Loud|
- 4 |AKLO/Count On Me feat.ZORN|
- 5 |SUGARY RAIN/DREAMERS feat.MIKAZUKI|
- 6 |Lunv Loyal/All My Friends feat.ゆるふわギャング,Yuskey Carter&Elle Teresa|
- 7 |TEN/Calendar Girl|
- 8 |Lui Hua/IT’S ON|
- 9 |Normcore Boyz/Still Alive|
- 10 |THE CYNICAL BROTHERS/JEDI|
- 11 さらに聴きたい人へ
|KID FRESINO/Retarded|
( Prod. by VaVa )
3年ぶりにNEWアルバムを発表した KID FRESINO (キッドフレシノ)。
ラッパー/トラックメーカー VaVa によるトランペットと、いくえにも重ねられたコーラスのアンサンブルが、重厚で深みあるフックを生みだす。対照的にラップは、符割りを微妙にズラすことでグルーヴを作り、歯切れの良さが言葉を軽快に弾ませる。
ソウルジャズやワールドミュージックにも通ずる音楽性は、HIPHOPというジャンルに縛りつけるのはもったいないほど。
すべての音楽好きに聴いてもらいたい。
『Retarded』は、アルバム『ài qíng』のラストナンバー。
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|J’Da Skit × Leo Iwamura/Purple|
( Prod. by Leo Iwamura )
最近は Blueworks というクルーでも活動しているラッパーの J’Da Skit (ジェイダスキット) とビートメーカー Leo Iwamura によるジョイントアルバムからの1曲。
装飾を削ぎ落としたミニマルアートのように、少ない音色でタイトに聴かせるトラック。J’Da Skitのラップも曲に寄りそいタイトに決めるも、フローの中に熱を込める。シンプルさが聴く者の想像力をかき立てる。
□ J’Da Skit からのコメント
『Purple』の製作経緯ですが、 現行の日本語ラップシーンでは珍しく、非常に音数の少ない上ネタに、変わったドラムパターンのスタイリッシュなトラックなため、Rapを乗せるのが難しかったです。
当初、この曲調だと倍速系の言葉を詰めたRapが1番合うのではないかとLeo Iwamuraと話していたのですが、 フロウのイメージを時間をかけ何度も考えていたところ、 グルーヴ感のあるラップの乗せ方を突如閃き、そこからあっという間に完成しました。
そのためリリックは、人間の想像力や閃きを題材としました。万人に受け入れられる流行りのモノを作るよりも、自分達が1番納得出来る作品を作る、行動するなど、人それぞれの独自の生き方の大切さにもフォーカスを当てました。
⬇︎『Purple』は、アルバム『In My Life』に収録。
|iCE KiD/SUPER STAR feat. CreA & Loud|
(Prod. by iCE KiD)
奈良のビートメーカー iCE KiD が、2015年に結成された大阪のクルー HIGH VISION STREET に所属する CreA と Loud を客演に迎えた曲。
Trapのリズムにダブステップを取り入れたトラックは、ありそうでなかった組み合わせ。歌の上手い2人の声に野蛮なベースが牙をむく。曲も歌っているようで皆で上がる。大勢の仲間と飛び跳ねるMVの演出も曲調とマッチしてていい。
□ CreA からのコメント
この曲は、アンダーグラウンド、オーバーグラウンドって言う枠にこだわらず、そんな縛り振りほどいてまでSTARになるって感じです!
|AKLO/Count On Me feat.ZORN|
( Prod. by BACHLOGIC )
COUNT ON ME=俺に任せろ
シンガー/トラックメーカーのBACHLOGICによる南米を思わせる縦笛とアフロなリズムが体を揺らす曲。
AKLOがリスナーに向かって「俺に任せろ!」と精神面で引っぱる。一方、ZORNは家族に向かって「生活は任せろ!」と一家を養うリアルを描く。
カッコ良さを維持しながらも、「ソース焼きそば」「TikTok」などのフレーズで急に現実に戻されるのが面白い。
|SUGARY RAIN/DREAMERS feat.MIKAZUKI|
(Prod. by DODGE NOLEDGE)
京都のレーベル Rock Bottom に加入した20歳のSUGARY RAIN。
ROCKとHIPHOPがバランスよくブレンドされた曲。
サザンロックを思わせる歪んだギターには、乾いた心がよく似合う。夢見る気持ちがひょういしたシンセ音が風を切る。“さとり世代”が無くしたと言われる“成り上り”スピリットがここにはある。
◻︎ SUGARY RAINからのコメント
『DREAMERS』は、ただの歌になりすぎず、ゴリゴリのラップにもなりすぎないよう気をつけました。客演のMIKAZUKIとはよく遊ぶようになり、自然の流れで曲も作ってましたね。
夢を持っている人がいるなら、誰に何を言われても諦めないで欲しいです。 俺は音楽を本気でやるって決めたから、こうして今もやり続けています! 全力で必死こいてやってたら応援してくれる奴はいるから、みんなにも頑張って欲しいです!
⬇︎「弱かった過去の自分」との決別を歌った1stシングル。『DREAMERS』と同じくロッキンなHIPHOP。
|Lunv Loyal/All My Friends feat.ゆるふわギャング,Yuskey Carter&Elle Teresa|
(Prod. by BERABOW)
‘18年12月5日に1stアルバムをリリースする秋田出身のラッパー Lunv Loyal 。秋田を代表するHip Hop, Reggaeクルー TEAM REPRESENT ENT. に所属し、地元愛を背負いつつ視線はすでに世界を見すえる。
客演に ゆるふわギャング , Yuskey Carter & Elle Teresa を迎えたこの曲は、気心の知れた仲間とのパーティーチューン。ハジけるシンセ音。はしゃぐパーカッションから笑い声が聞こえてきそう。
朱に交わればヤバくなる。
偽者に別れをつげ、Lunv Loyalが洗練されていく。
『All My Friends』が収録されたアルバム『New World Order』
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|TEN/Calendar Girl|
(Prod. by Sweet William)
“ラップしないと生きれない” と思わせるほど体もフローもくねらせて、うねりのあるラップする Pitch Odd Mansion 所属の TEN 。
メロディアスなHOOKに、キュートな女性Vo.と優雅なストリングスがマッチする。後半さらにメロディを追加して贅沢な気分になる。寒い季節にこそ感じる街並みの温もりがよく似合う。
|Lui Hua/IT’S ON|
赤毛がトレードマークの Lui Hua 。
彼が声を張りあげ歌うと、言葉がダイレクトに飛び込んでくる。
その理由は、オートチューンを薄くしかかけてないから?
歌が上手いから?
それだけじゃない。答えはこの曲の歌詞にある。
「嘘 偽らない この歌のように 君の事好きになれたら 調子いい」
大人になるにつれ身についた鎧をはがし、裸の言葉が胸を打つ。この誠実さが「有言実行のヒーロー」を誕生させる。あとわずかで。
⬇︎この曲が収録されたEP
|Normcore Boyz/Still Alive|
フジテレビ本社があることで有名なお台場を拠点に活動する Normcore Boyz 。
幼馴じみのクルーだけあって、「遊びじゃない」けど、和気あいあいと遊びながら作ったことが伝わる曲。笑顔で歌うYoung Dalu、ノリでハードコアなラップをするGucci Prince、テクニカルに締めるSpada 。タイプの異なる3人の個性が光る。
カワイイ女の子と遊び、RAPを楽しむ。若さの使い方はこれで間違いない!
|THE CYNICAL BROTHERS/JEDI|
Deftin、Yasuark、DJ Ogisoからなる名古屋のクルー THE CYNICAL BROTHERS 。
雄叫びをあげたくなるほどパーカッシブで野生的な曲。
自由すぎるラップは、手のつけれないTWIGYか?原石のままのJinmenusagiか?。この勢いは、日本語が通じない海外の人にも伝わりそう。キャリアが10年以上なのに、洗練されずに荒々しくなっていくのが最高
『JEDI』が収録されたアルバム『THELP』
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さらに聴きたい人へ
上記の10曲以外に、紹介しきれなかったおすすめ60曲のプレイリストを作りました。連続して聴けるので好きな曲と出逢ってください。
現在12月のプレイリストも作っていていい曲がたまっています。
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ではまた✋🏽