【日本語ラップ 2019】3月のおすすめMV10選(各レビュー&ー部コメントつき)

どうも、HIPHOPライターのドラム師匠です。

3月はTwitterにて、
MVレビュー      ➡︎  31本
LIVEレビュー ➡︎    5本

そして、ブログ記事を3本書きました。

そんな私が気になった

|3月のHIPHOPトピック|


①大手スポーツメーカーがラッパーをCMに採用

adidas Originalsは、スニーカーキャンペーンでラッパー JJJ を起用したコラボ曲を発表。同様にNIKE JAPANも、Kid Fresinoを起用した曲でコラボ。HIPHOPはエッジが効いていてカッコいいと、企業も無視できない存在になりつつある。

 

※Kid Fresinoの曲を後ほど紹介します。

②Rykeyがまたもやインスタライブで物議をかもす

’18年12月、喧嘩後の血だらけの顔でインスタライブをした Rykey が、またしてもインスタライブでラッパー批判。今度はYZERR、T-PABLOW をパクリだと訴える。もっとオリジナリティーを追求してほしいという激励とも受け取れるが、言い方が過激すぎるとの意見が多く見られた。

(※著者の意見は、ビーフで、つまり歌詞の中でDISって欲しかった。その方が議論が深まり、シーンの活性化に繋がったと思う)

 


ということで’19年3月にYouTubeに公開されたオススメの10曲を紹介します。

今回、東京のラッパーTORA-Gと、福島のラッパーNAITEからコメントをもらいました。なぜこのトラックを選んだか、リリックにどんな思いを込めたかを語ってくれてます。

有名・無名問わずセレクトしたので最後までお楽しみ下さい‼️

 

※ 歌詞=リリック、サビ=HOOK とHIPHOP用語で表記しています。
※ 本文で赤字のついたアーティスト名は、Twitterとリンクしています。

 


 

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|DJ RYOW / Dream ship feat. Shurkn Pap, VILLSHANA|

( Prod. by DJ RYOW )

 

80年代のSF未来感あるDISCOサウンド。

オートチューンの魔術師 Shurkn Pap による「AH AH AH」と間をとったメロディが、安心感とワクワク感を演出。

名古屋出身の VILLSHANA による伸びやかな高音ボイスが、リスナーを遠い場所までを運んでくれる。

 DJ RYOW ゆえに実現した2人の組み合わせ。現場の空気を肌で感じているDJならではの客演セレクトが冴える。

 

 

’19年2月に発売されたDJ RYOWの曲が43曲収録されたBEST MIX CD
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|week dudus / Boost|

 

姫路のシーンがジリジリと熱を帯びつつある。

1番注目を集めるのが、上で紹介したShurkn Papを中心としたクルー MaisonDe (メゾンド) 。

そして今後ブレイク間違いないのは、2000年生まれの week dudus だ。

舌に車輪がついてるのか?と思わせるほど言葉が滑らかに回すラップが上手い。
ミニマルゆえに中毒性の高い電子音ループが、無心になって身体をゆらす。途中で入るチョップするエフェクトも効果的。

機能的、ゆえに美しい快楽ミュージック。🤯

 

 

⬇︎この記事で紹介した姫路のシンガー/ラッパー vio moon の曲にも、week dudusは客演で参加

JPN 🇯🇵 HIPHOP ch.

'19年1月に公開されたオススメの10曲です。今回、vio moonからコメントをもらいました。彼女がどんなことを考えて…

 


|Lazzy / more moon feat. ness wet|

( Prod. by jaff )

中学生のクルーとして話題になった(現在は卒業)MADz’s のメンバー Lazzy

一歩ずつ踏みしめるように言葉を曲に落とし込んでいく。
幻想的なトラックが作り出す透明な空気感。

ness wet が歌うメランコリックなメロディーが夜に溶け込んでいく。

 

⬇︎この曲が収録されたアルバム『sweetness.

 


|TORA-G / already|

( Prod. by hatake shocknin )

 

Prefuse 73を彷彿とさせるIDM/エレクトロニカ系サウンド。千切りになったビートの断片は、拡散せずに強い言葉に吸い寄せられているよう。

“ 地下でグツグツ煮込むグルーヴ ”

太い幹のようにどっしり構えた TORA-G のラップは、HIPHOPらしさを際立たせる。

BoomBap系ラッパーでありながら、hatake shocknin による実験的ビートでラップしてるのが頼もしい。ニヤニヤしながら聴いてしまう。

 

TORA-Gからのコメント

とにかく不規則でごちゃごちゃしたトラックに乗っけてみたくて。hatake君からジャストでやばいのが送られてきたので、速攻でリリックを書きました。

いろんなスタイルがいろんな形で流行ってる今の現状を、このトラックからイメージしました。その中でも、芯はブラさずに自分のスタイルでガッチリ構えてやろう!
そんな意気込みでリリックを書いたと思います、、笑

このトラックでラップをするのは、パッと聴いただけでは難しいですが、奥の方にあるドラムに乗せた感じです!

 

 

⬇︎この曲が収録されたEP『already』

 


|BASIL / GRIP|

( Prod. by BASIL )

 

ラッパー/トラックメーカーとしてだけでなく、映像作家としてもハードワークをこなす福岡の BASIL 

ラガベースのフローながら、ツンのめるJAZZ〜AFROなトラック。

“生も死も時も まわり巡りあい永遠になる”

曲が進むにつれて真理に近づくリリックは、奥行きある音像を生み出す。
それを映像で描く手腕はさすが!

 

 

BASILのファースト・アルバム『FRAGRANCE』
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|RAITAMEN, Ace the Chosen onE,TEN / BUSY EZ MONEY|

 

クラップ音で始まる緊張感あふれるナンバー。
マッドマックス + 拳法 = 北斗の拳 の世界観を連想させる。

3人のMCは、名古屋を中心に活動するクルー Pitch Odd Mansion に所属する。

強さの中にユーモアが混ざるRAITAMEN 、ハスキーな悪人を演じる Ace the Chosen onE 、いつ飛び出してくるか危なっかしさが魅力の TEN

各々のラップスタイルを武器に団結すると、名古屋の勢いが伝わる。

 

(と思ったら、YouTubeのコメント欄に「パチスロ北斗の拳からのサンプリング」との書き込みがあり。著者はパチスロをしないので、する方は確認して下さい)

 


|KID FRESINO, Seiho / 720|

( Prod. by Seiho )

 

英語/日本語を混ぜる KID FRESINO のラップは、アジア人ならではのしなやかさ。

90年代のジャングルビートを取り入れた Seiho のエレクトニックなサウンド。

流行のサークルは円を描くように繰り返す。ジャンルの異なる2人から生まれるスピード感は、スクラップ & ビルトで日に日に姿を変える東京の街と重なっていく。

 


|YUKSTA-ILL / SELFISH|

( Prod. by OMSB )

 

喉ごしスッキリ!!!

とでも言いたくなるほどビールのようにキレあるCuttingギターと YUKSTA-ILL のラップ
特にフックでの上がり具合が最高!!
なんだけどそれだけじゃない。

「アアアーーー」と儀式的コーラスを入れることで、あえて違和感を挿入。整い過ぎないようにすることでHIPHOPらしさを増幅させている。これはラッパーでありビートメーカーでもある OMSB らしいプロデュース力。

一筋縄ではいかないのが余計クセになる。

 

この曲が収録されたアルバム
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|NAITE / melt|

( Prod. by JIN BEATS )

福島のラッパー NAITE(ナイト)。

HIPHOPマナーにのっとりながらも、インディーR&B〜オルタナロックの影響が感じられる曲。それでいて、どこかで聴いたことあるようでないオリジナリティー。

内面にため込んだものが、歌に乗せられ昇華していく。

 

□ NAITE からのコメント

メロディに関して、特にどこから影響ということはないんです。
民謡、歌謡曲、R&B、ボカロなど、各ジャンルの音楽を聴いていて、HIPHOPだけをゴリゴリに聴いてるわけではないんです。

それがメロディとして自分の音楽に落とし込まれてるのかもしれません。 固定概念にとらわれず、周りの声に惑わされず、自分の世界観を信じてアウトプットしていきます。

タイトルの「melt」ですが、 地元が福島ということもあり、3.11の大震災から“メルトダウン”という言葉が負のイメージで世に広まりました。

今回、この言葉を再生という意味で使いました。
色々なことがあったけれど、新たな風を、この星にmelt(溶け込む)ように吹かして生きたいという想いがこもっています。

そこは何もない世界であり、自分で決めていく世界であって、未来は自分で創造していくものだという気持ちを載せました!

 

 


|TERU / ナニモコワクナイ|

 

枚方の大所帯クルーHRKT の中心人物であり、バトルでも活躍する TERU 

この曲は、進むべき道の選択を迫られる3月ならではの情緒あふれたナンバー。
別れの寂しさを「通り雨」に重ね、すぐに雨が上がることを詩的に伝える表現力。
TERUお得意のメロディセンスが光る。

「ステージには我あり」

ラッパーとして生きる覚悟が頼もしい!

 


|さらに聴きたい人へ|

上記の10曲以外に、紹介しきれなかった【3月のおすすめ】が65曲入ったプレイリストを作りました。連続して聴けるので好きな曲と出逢ってください。

現在’19年4月のプレイリストも作っていて、いい曲がガツガツたまっています。
最新のHIPHOPに触れたい方はチャンネル登録をして下さい。
ではまた ✋🏽

 

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